EVENT 23.03.01

微生物を観察しよう 

出前授業:日野市立日野第三中学校

授業概要
 微生物は、私達の生活に密接に関わっています。しかし、私たちは微生物を肉眼で見ることはできません。
今回の出前実習「微生物を観察しよう」では、光学顕微鏡での観察を通して、プレパラートの作成方法や顕微鏡の使い方を学び、身の回りにいる微生物に関心を持ってもらい、微生物が環境問題や私達の生活とどう関わっているかについて知ってもらうことを目的としました。
 1時間目は、本学環境応用植物学研究室の藤原祥子先生による藻類や環境についてと、食品科学研究室の志賀靖弘先生によるミジンコの生態に関する二つの講義が実施されました。その後、ミジンコ、イシクラゲ、ミドリムシ、クロレラの観察を行ってもらいました。
 2時間目は、東京薬科大学の薬用植物園にある水性植物の水槽に生息している微生物を観察し、図鑑やインターネットで調べたものをスケッチして、最後は班毎に、観察できた微生物を発表し、クラス全体で共有しました。

 

 

 

 



授業の様子
 講義中、生徒は講義を聞きながら、真剣にメモを取っていました。
 また、光学顕微鏡や、マイクロピペット等、生徒が初めて使用する実験器具の練習では学生サイエンスコミュニケーター(学生SC)に扱い方を確認しながら、慎重に実験器具に触れていました。




  
   










 観察では、ミジンコの心臓が動いている様子まで確認することができ、感嘆の声があがっていました。休み時間中も、真剣に顕微鏡で観察を行ったり、他の班の顕微鏡を覗いては違いを比較してみたり、興味津々な様子でした。
 東京薬科大学の植物園の水槽にどんな微生物がいるかを観察している時に、図鑑を見ても先生に聞いてもわからない微生物を発見した生徒がおり、“新種発見か!?”と驚きの声もあがりました。
 実習を通して、身近に生息しているけれど肉眼では見えない微生物を観察できた時の生徒の笑顔が印象的でした。

 

今後の活動について
 今回の実習は、2022年6月に他所で行ったものをブラッシュアップしたプログラムでした。出前実習の準備にあたり、2月の冬の時期で、微生物が生息していないのではないかとの懸念があり、以前とは異なる場所でサンプルを採取するなどの工夫をしました。また、時間配分など前回の反省点を見直し、授業時間内に観察から考察、発表を行うことができました。
 今後も、引き続きこのプログラムを充実させて、参加者により理科に興味を持ってもらえるようにしたいと思いました。

 

最後に
 2022年度の学生SC活動は終盤に差し掛かり今回のプログラムでは、後輩達が中心メンバーとして、来年度主体的に活動できるようにと、経験と技術を伝承していく役目もありました。「サイエンスコミュニケーター」として、科学を伝えるだけでなく、コミュニケーション能力も育成され、「サイエンスコミュニケーション」の輪が広がる活動ができることを願ってます。

学生SC活動は、出前授業だけでなく、様々な活動を行っています。東京薬科大学オープンキャンパスでは、サイエンスカフェといって、出前授業などで行っている実習の一部をご覧いただけます。学生SCと学生生活や進路選択などのお話しもできますので、ぜひご来場ください。

保護者の方のご参加も歓迎いたします。

 

 

 生命科学部 3年 鳥越真貴子