CERTとは

東京薬科大学では、夢と情熱を持った研究者と学生による、最先端の研究が展開されています。研究広報誌『CERT』は、その今を伝えると同時に、サイエンスの面白さ、可能性や課題を、社会に向けて発信することを目的として、スタートしました。このサイトは、そのオンライン版です。

“夢と情熱”を持った研究者と学生による最先端の研究

1880年、東京薬科大学の前身である東京薬舗学校が、日本最初の私立薬学教育機関として、藤田正方(文部省属官旧丸岡藩士)により本所区亀沢町(現墨田区)に開校された。それ以来、140年にわたり、新制大学への移行を挟み、東京薬科大学は薬剤師養成を行うと共に、創薬研究に取り組んできた。1994年には、日本で初めての生命科学部を設置すると、難病・がん等のメカニズムの解明、分子生物学を基盤とした創薬研究、資源・環境・エネルギー・食料に関するバイオテクノロジーの研究開発にも取り組み、大学の理念に掲げる「人類の福祉と世界の平和に貢献」している。

現在、世界は劇的な変化の中にある。少子高齢社会の到来、テクノロジーの進化とそれに伴う産業構造の変化、グローバル化の進展、エネルギー・環境問題の深刻化…。また、ライフサイエンス分野にも、再生医療の勃興、バイオ医薬の隆盛、製薬企業の国際化、スタートアップ企業の活躍、AI 技術の実用化と、大きな波が押し寄せている。その中でも、「病からの解放を願う素朴なヒューマニストたれ!」、「優れた薬の開発にむけて、われわれの努力の花を咲かせよう!」という、先達の思い(大学の共通スローガン)は、今も確かに引き継がれている。

大学の研究の価値

大学における研究の価直は、様々な研究者が自身の知的好奇心に従い研究することによって生じる多様性にある。その時の流行や社会のニーズに左右されることなく新たな知識や技術を創造しようとする研究、このような研究は企業においてはできない研究である。

企業においては、既存のビジネスの収益性を高めるため、また新たなビジネス展開を図るために研究が行われる。その際には企業にとって新たな知識や技術が必要になると思われるが、それらは必ず大学の多様な研究の中にある。そこで企業の研究者は大学を訪問して情報収集を行い、必要に応じて技術移転や共同研究が開始される。ただし、このような時に企業研究者が訪問するのは、オンリーワンの研究を行っている研究室、または該当分野でナンバーワンの研究を行っている研究室である。

一方大学には、特許や論文として公表されるに至らなかったが、独創性が高く、あと一歩で産学連携等のシーズとなる研究が数多く眠っている。これらを掘り起し、社会に公開する新たな手段は、大学の研究の価値を大きく高めるかもしれない。

大学は、経験豊かな教授たちと、研究に関しての経験は少ないが柔軟な発想力をもった学生たちが一緒に切磋琢躍する、とてもユニークな研究の湯である。お互いが刺激しあうことで、新たなオンリーワン研究が生まれると期待される。流行に流されることなく、独自の研究を行うことで大学の価値が高められていくと思われる。

(文章:イノベーション推進センター
 渡邉一哉生命科学部教授)

サイエンスコミュニケーション

「CERT」はサイエンスコミュニケーションのツールとして、薬学・生命科学をはじめとするサイエンス・研究の魅力を伝えていきます。

東京薬科大学の研究者たちの研究内容や学生サイエンスコミュニケーターの活動、女子中高生の理系進路選択促進プログラムや日本科学未来館「サステイナブルバイオテクノロジー」プロジェクトのレポート、サイエンス・研究に興味を持ってもらえる企画・イベントなどを当サイトに掲載していきます。

科学の面白さや課題をより多くの人に伝え、理解を深めていただくようなサイトを目指します。