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発電菌のフ・シ・ギ

2024年3月11日 研究室訪問・実習体験     【富士見中学校高等学校】

生命科学部 渡邉一哉教授が、日本科学未来館で実施した発電菌に関するプロジェクトに参加され、以前より交流している富士見中学校・高等学校の生徒さんが本学で講義を受け、午後は中学生と高校生に分かれて実習を体験しました。







中学生は、泥電池を作成して自分で電池を作ってみようというものでした。
実習では、学生サイエンスコミュニケーター(以下、学生SC)があらかじめ本学薬用植物園周辺の畑、林、川底から採取した土を用いて泥電池を2人一組みになって組み立て、その電圧を計測して最終的に出た電力を求めて採取した3種類の土の電力の違いを皆でディスカッションしました。
参加した中学生の実験に対する姿勢は、実験手順に対して自主的に進め、作業工程の様々な質問を問いかけてもはっきりと自分の意見を主張する生徒さんが多く、どれくらいの電圧が出たのか?なぜ電圧に差が出たのか?たくさんの疑問が飛び交う中、思考して近くの人と話し合う姿が多く見受けられ彼らにとって有意義な時間になったと思われます。
  
参加者に泥電池で発電することに興味を持ってもらうため、泥電池の作成する前の準備を丁重に行いました。例えば、グラファイトフェルトを正確に正方形や長方形に裁断する過程では少しでも誤差があると結果にも差が生じてしまうので、必要な実験材料は全て同じ長さ、同じ面積、体積の条件を一緒にするために慎重に準備を行いました。参加者に実験に対して興味を持ってもらうため準備段階から学生SCは力を注いでいます。
「泥だけで発電する」って言葉だけ聞けば夢のある話だと思います。しかし、「なぜ」を常時持っていないと受動的になってしまいますが、今回の実習は生徒さんが能動的に考える人が多かったです。体験実習を通して、私も「なぜ、こうなるのだろう」と考えながら実習をしましたが議論していくと解決策が見えることを知りました。考えながら作業していくことも大切ですが、周りの人と話し合って理解を深めることが実習の醍醐味だと思いました。
生命科学部  杉本 優                              


今回、高校生の実験では、DNA の抽出を行いました。高校生は普段使用したことがないマイクロピペットなどの実験器具を使っての実習でしたが、慣れないながらも丁寧にマイクロピペットを用いてDNAの洗浄を行っていました。最後に洗浄後のDNAが入った溶液に光を当てることによりDNA は波長 260 nm 付近の光(紫外線)をよく吸収し、分光光度計で波長 260 nm の光の吸光度(A260)を測定することで、DNA の濃度を求めることができます。
                     
 

 




中学生・高校生共に実習終了後には、研究室や講義室、薬用植物園など学校施設の見学を行いました。
薬用植物園では名前を聞いたことのある植物があちらこちらに見られ、既に高校で有機化学を学んでいたらしく植物のラベルに記載されている構造式中のベンゼン環構造にも興味を示していました。

薬学部  岸 耶真斗