知る・学ぶ

森林の中に入ると涼しいのはなぜでしょう?

東浦 康友

森の中を歩くと涼しくさわやかです。

森林の枝や葉は日光を遮断し、森林内の温度が上昇するのを防ぎます。樹木は、根から吸い上げた水分を葉から大気中に蒸発させます。これを蒸散(じょうさん)と呼び、気化熱によって森林内は涼しくなります。

雨は、樹冠の葉でとらえられ、静かに樹幹を流れます。重なるようにしげる葉や、複雑な形をした幹から水分が蒸発し、これらの気化熱によって森林内はますます涼しくなります。林床には落ち葉が厚く積もり、熱を地中に伝えるのを防ぎます。森林からは、このようにして冷たい水が流れます。

森林浴は、涼しいだけではなく、樹木が発する防菌物質のフィトンチッドのため健康によいとされています。