ミジンコは生息する湖沼の環境が良いときは、単為生殖という方法で卵(単為生殖卵といいます)を産み、子孫を増やしています。この単為生殖は子孫を増やす際に雄を必要としません。つまり卵と精子の受精は起こっていません。そのため非常に効率よく多くの子孫を増やすことができます。そして、この時の子孫は全て雌です。これを雌性単為生殖といいます。これは、魚などに捕食されるミジンコにとってはとても理にかなった子孫の増やし方といえます。
しかし、ミジンコが増えすぎたり、餌がなくなったり、水温が下がったり、日が短くなったりとミジンコにとって生息する環境が悪くなるとミジンコは雄を産むようになり、雄と雌の間で耐久卵という受精卵を作ります。このミジンコの耐久卵は乾燥に強く長い年月が経っても環境が良くなれば、また発生が進み雌のミジンコになります。
ミジンコはこのようにして環境の変化に応じて巧みな生殖方法とることで種を維持していく戦略をとっています。
投稿日:2022年10月31日