2022年8月27日(土)に東京薬科大学において、本学の学生サイエンスコミュニケーター(以下、学生SC)が中心となり『ラボ見学&実習体験』を実施しました。このプログラムは、JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)の「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」に採択された「TAMAリケジョ育成プログラム」の一環として行ったものです。
イベント概要
午後の部では、高校生28名を対象に、ラボ見学と実習体験を実施しました。
ラボ見学では、生命科学部 応用生命科学科 生命エネルギー工学研究室と、薬学部 医療薬学科 個別化薬物治療学教室を巡り、研究内容や研究設備を見学しました。
また、その後の実習体験は、薬が分解する過程を実際に目で見て観察し、得られた結果について考察する事で知識を深め、実験や考えることの楽しさを感じてもらうことを目的としました。市販の鶏肉の4部位(胃、肝臓、心臓、筋肉)を用いて実験し、どの器官に最も薬を分解する力があるのか、またどうしてその器官に薬を分解する力がなければならないのかという事を班ごとに考察し、発表しました。そして実習の最後には、本学の生命科学研究科 腫瘍医科学研究室 博士1年の松沼さんから、女性研究者についてのお話をしていただきました。
ラボ見学・実習体験の様子
ラボ見学では、それぞれの研究室の教授によって研究活動についての説明がなされ、さらに研究室内は教授や研究室に所属する学生によって案内や説明があり、全員が真剣な表情で耳を傾けていました。その後の実習体験では、3〜4人の班ごとに実験を行いました。溶液の些細な色の変化を30秒毎に注意深く観察し、班全員で協力し合いながら実験が進められました。特に考察においては、一人一人が自分の意見を持って積極的に話し合いに参加していた姿が印象的でした。発表では、薬物を分解する酵素の存在や、その器官の解毒能力について着目したものなど、たくさんの意見が出ました。最後には松沼さんから、女性研究者になった経緯や目標についてお話ししていただき、参加者はその可能性や将来性について学んでいました。
今後の活動について
今回のイベントを終えて、良かった面やさらに改善できる課題を見つけることができました。それらを踏まえて、学生SCや先生方と協力し、次回以降の実習をより良いものにしていきたいと思います。また、私たちは今回のイベント以外にも、出前授業やサイエンスカフェ、新しい実習プログラム作りも行っています。それらを通じて、科学や考えることの楽しさを伝えていきたいと思っています。今後の活動にも是非ご期待ください。
最後に
今回、イベントの進行を担当させていただき、とても貴重な経験をすることができました。参加していただいた高校生たちは皆、今回の実験について、そして科学について一生懸命に考えてくれました。サイエンスコミュニケーションは、科学やその面白さを伝える活動です。私は多くの方に、身近にある不思議な現象について興味を持ってもらいたいと考えています。どうしたらもっと伝わるか、どうしたら興味を持ってもらえるかという事を常に考えながら学生SCとして尽力していきます。この先も、ここで得ることができた多くの経験を活かして、SC活動に励んでいきたいと思います。